文芸PR誌「ウフ.」(2009年に休刊)で始めた連載を1冊にまとめ、さらに書き下ろしを含めた源くんの処女本。
高校生の頃に松尾スズキさんの初エッセイ「大人失格」を読んで以来、ずっと自分の本を出すことを夢見てきたとのこと。この本で、その夢が叶ったわけです!
タイトルの「そして生活は続く」は松尾さんが作・演出した舞台「母を逃がす」のセリフから引用したそうで、松尾スズキさんはセリフのタイトル使用を快諾してくれたとのこと。
裏テーマは 「くそして生活は続く」。
連載が始まってすぐ、「ウフ.」誌そのものの休刊が決まるという、とんでもない不運に見舞われながらも担当の黒瀬朋子さん(かつて松尾さんのエッセイも担当していた)のおかげもあり、「1号に2回分を載せる」という荒業で書籍化を実現させた。
書き下ろしに漫画まで加えた本作は源くんにとっても非常に思い入れの深い作品になったそう。
2009年なので、源くん27~28歳あたりの執筆。
お金のこと、どうでもいいこと、生活のこと、仕事のこと…キレイにまとまった作品ではなく、ごちゃまぜで何となく哀しいような笑えるような独特で不思議な内容。
◆目次
料金払いはつづく
生活はつづく
連載はつづく
子育てはつづく
貧乏ゆすりはつづく
箸選びはつづく
部屋探しはつづく
ビシャビシャはつづく
ばかはつづく
はらいたはつづく
おじいちゃんはつづく
口内炎はつづく
舞台はつづく
眼鏡はつづく
「はたち」 漫画・小田扉 原作・星野源
ひとりはつづく
書き下ろされた話のひとつ「ひとりはつづく」は今日の星野源という人物にも繋がる非常にパーソナルな部分が吐露されているように思います。
2013年には文庫化され、巻末に俳優・きたろうとの文庫版特別対談「く…そして生活はつづく」が収録されていますよ。